さよなら遠足その後 小1の5月
4月末に「さよなら遠足」に行ってその日を最後に学校には行かないと決めたのどか。
遠足の日の連絡帳にのどかの希望、私たちの考えを記入しました。
のどかは今日が最後でこれから学校に行かないと決めたこと。
私たちはのどかの意志を尊重しようと思っていること。
今日の遠足はとても楽しみにしていたのでよろしくお願いします。と。
先生からぜひ話をしてやってください。と。
のどかに朝、先生に連絡帳を渡すように言って持たせました。
朝、ちゃんと渡して先生は目を通してから
「わかりました。君は学校に来なさいと言っても来ないでしょう。これからのことはまた相談しましょう。」と言われたようでした。
遠足の後、ゴールデンウィークになったのでしばらく学校もお休みだったのだと思います。たしか。
5月に入って担任の先生からお電話がありました。
「のどかくんが決めたことでしたらきっと変わらないと思いますが、一度学校で直接校長先生とお話していただきたいのですが。」
「のどかも私たちもぜひお話させていただきたいのでよろしくお願いします。」
「明日の午後は校長先生も予定が入っていないので明日の午後でよろしいでしょうか。」
「わかりました。では明日の午後伺います。」
のどかには
「のどかの気持ちを正直にお話したらいいよ。」
と伝えました。
次の日学校に行きました。
担任の先生が出迎えてくださって少し憮然とした表情で
「校長先生が急用で外出してしまったので教頭先生とお話していただけますか。せっかく来ていただいたのにすみません。」と。
校長先生不在で話し合いが始まりました。
この日はほとんど教頭先生とのどかの1対1のやりとりで。長くなるので次回のお楽しみとします。
現在は「学校へ行きたくない。」と意志表示した児童生徒に対して「学校に登校する」という結果のみを目標にするのではなく、児童生徒が自らの進路を主体的に捉えて、社会的に自立することを目指す必要があるという方針を文部科学省が示していますが、当時は和歌山県の教育委員会から「不登校撲滅」という標語が示されるような状況でした。当然、教頭先生は様々な例を出されて「学校には来なければいけない。」ということをのどかに納得させようとお話されていました。
現在も「不登校はよくないこと。」と思い込んでいる先生方や保護者の方々がまだまだいらっしゃると思います。
文科省が提言している「児童生徒にとって大切なことは現在学校に登校することではなく、将来社会的に自立することを主体的に捉えて目指すこと。」 というのは不登校の生徒に限ったことではありません。
どの子どももいずれは大人になります。その時に社会とどんなふうに関わって自立して生きていけるかが大切なことです。本来、学校というのはそのための練習の場なのではないでしょうか。いくら学校では毎日楽しく過ごせていても学校から外に出た時に上手く自分の足で立てなくては最終目標に到達できないことになってしまいます。
学校がすべてではなく学校は一人で生きていくためのほんの通過点なのです。
だからのどかは自分にとってあまりにもストレスが大きい(その時点では)学校に通うより家でどんなにしんどくても畑の開墾や田んぼの開墾、家づくりなどの重労働をする方が自分が一人で生きていくためにはいいと考えたのだと思います。
「不登校」はよくないことなのでしょうか?
もし現在、学校に行くのがつらい・苦しい・なんだか嫌だと考えている子どもさんがいたらその気持ちは大切にして本当に苦痛ならば思い切って声に出してみた方がよいと思います。自分の気持ちにふたをしてしまったら自分ではなくなるものですから。
そしてもし、子どもさんがクラスの生徒さんが「学校に行きたくない。」という気持ちを口にされたなら保護者の方々や先生方は「学校に行かないと将来困るよ。君の為に言ってるんだからちゃんと聞きなさい。」と頭ごなしに決めつけるのではなく、本当の気持ちを何度でも聞いてあげてください。
何度も話し合うことができればきっと現在どうした方がよいのかが見えてくると思います。
のどかが切り開いてきた「学校に行かない」という日々が少しでも参考になればと思います。