17年前の誕生日 -のどか誕生ー

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 2才の時。鮎をつかんでいる。
 

 

 

17年前の朝も雨が降っていました。のどかが生まれた日の朝です。

 

前日から少し予兆があり、初めての出産の私はどきどきしながら気づいたら寝入っていましたが、朝5時過ぎに陣痛で目が覚めました。

 

「初産なので15分おきに陣痛がきたらすぐに夜中の何時でも産院に電話してください。」と言われていたので電話しました。

なかなか電話に出てくれなくて、ようやく院長先生の声(すごく眠そうな)「あー、そうですか。お家、近かったですよねー。朝、外来の開く時間に入院の準備をして来てください。」と。

え?今すぐ行くんじゃないの?朝まで待つの?大丈夫なんだろうか?

と思いつつもどうしようもないのでもう一度、横になってうとうとしながら朝に。

 

出産前はしっかり食べておいた方がよいと言われていたので、のどか父が前日の鍋の残りを雑炊にしてくれたのを食べていると電話がかかってきました。

院長先生から「まだ家にいるんですか?すぐ来てください。」

 

外来の時間まで来ないでって言ってたやん!!!

とりあえず、急いで残りを食べて急いで荷物を持って、当時住んでいた団地の4階から急がず階段を下りて車で病院に向かいました。

その頃には、結構痛くて雨が降っていたのもおぼろげながら覚えています。

病院に着くと、受付の方に「すぐこちらに来てください」と言われ、診察。

院長先生「よく我慢してましたね。」

待つようにいわれたからやん!!!

「わりと早く生まれるかもしれんね」

だから早く来たいって電話したやん!!!

 

その後は、院長先生は外来の診察があるので「待っておいてください」と。

「昨日、分娩が2件もあって、入院患者さんでいっぱいでお部屋が空いてないので、今日の午前中に退院される人がいるのでその方が退院されたらお部屋は用意できるんですけど、それまでの間、看護婦の宿直部屋で待っておいてもらえますか。」

え?まぁ仕方ないですが。

「お一人は1ヶ月早く生まれられて、ちょっと大変だったので院長先生もつかれておられたんですよ。」あー、それで眠そうだったんですね。それで朝になってから来てって言われたんですね。

それにしても・・・仕方ないけど。

 

それから宿直部屋で待機。

「ここ畳だからベッドがなくて申し訳ないんですけど、楽な恰好で横になっていてください。テレビはよかったら見てもらっていいので。」

忙しそうに言って去っていかれる看護婦さん。

のどか父が退屈しのぎにテレビをつけると、NHKで「新日本探訪」だったかの再放送をやっていたそうで「ノスタルジックやなぁ」と喜んで見ていました。

私は、相当痛くなってきてあまり内容も覚えておろず、なんだか画像もノスタルジックなのと相まって不思議な感じでした。ほとんど覚えてはいないんですが。見ているどころではなくて・・・

そうしているうちに食事担当の方が

「今日、お昼カレーなんやけど食べれないよね?よかったらだんなさん食べてくれてもいいけど」と見るからにゴテゴテしてそうなカレーを持ってきてくれました。

いや、無理。見る余裕もない。

「なら、食べるよ」とのどか父。食べながら引き続き「新日本探訪」を見ていたような。

その頃になると、さらにあまり覚えていなくて、看護婦さんが

「そろそろ分娩室のお隣の部屋に移っておきましょうか」と隣の部屋へ。

そこからさらにあまり覚えていないのですが、痛くなってきてのどか父が看護婦さんを呼びにいったのか、様子を見にきてくれたのか忘れましたが、

「これはもうそろそろみたいね。分娩室に移動しておいた方がよさそうね。」といよいよ分娩室に。

そこからも早かったみたいで、「もうすぐやわ。先生呼んできて」と助産師さん。

午前中の外来の最後の患者さんが待っておられたみたいなのですが、急いで院長先生が来られたようでそれから割とすぐに

「おぎゃー」とのどかが誕生しました。

思ったより小さくて小さくて。でも元気そうでした。

院長先生が「記念写真を」と。

隣の部屋で待っていたのどか父(こわくて初めから立会ではなかった)を呼んでくれ、3人でと。

その頃にはのどかはすっかり泣き止んでいて静かになっていたのですが、院長先生が「ほれほれ。泣かないと!」と小さな足の裏をこんこんとたたくとまた「おぎゃー!」と泣き出しました。

 

入院から出産まで初産とは思えないと言われましたが、ドタバタしていましたが、無事に生まれてきてくれて本当によかったと思いました。

その後ももう一つのどか父の語るエピソードがあって、

個人の産院で2日目から母子同室だったので初日は他の赤ちゃん2人と並んで寝かされていたのどか。のどか父が「どれかな?」と見に行くと、2人は「うえーん!」という感じでかわいらしく泣いているのに、1人だけのどか父の方をギロッとにらむ赤ちゃんがいて「なんや?」と思って名前を見ると「山田ベビー」と書かれていたそうです。

 

17年前、こんな世の中に生まれてきてくれて本当にありがとうと思いました。

17年経って、大きくなって今では私だけでなく父にまで偉そうに説教するまで成長してくれてありがとう。

 

こんな世の中に生まれるようにしてしまって悪いなぁと当時も思っていました。

のどかが生まれるとわかってすぐイラク戦争が始まって、日に日に見たくないニュースばかり流れるようになったからです。

私はテレビを見ないようにして、当時夕方再放送で流れていた「ハイジ」だけ楽しみにしていました。

17年たって、よりひどい世の中になり、より申し訳ない気持ちでいっぱいです。

でもやっぱり生まれてきてくれてよかったと思います。

生まれてきてくれて、いろいろ大変なことだらけの世の中ですが、のどからしく幸せになってほしいと願っています。

生まれた時に「強く優しい子になってほしいな」と思ったのですが、思っている以上に強く優しくなってくれているなと思います。

 

今日は、17年前の記憶を思い起こしてのどかの誕生の思い出を綴ってみました。

日々、憂鬱なことばかりの世界ですが、命が生まれるということは本当に素晴らしいことだと思います。

今まで生まれてきた命、これから生まれる命、どちらもすべての命を大切にできる社会になっていかなければいけないと思います。

コロナ騒ぎでいろいろなことの本質が浮き彫りになり、これでいいのか、これからどうしていけばよいのか、真剣に考えていかなければいけない状況になってきています。私たちの暮らし方、生き方、教育のあり方。

しぶとく生き抜いてみんなで考えていきましょう。